柴犬が公園で転げ回る姿を見てると、こっちまで息が切れてくる話

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朝の公園に柴犬がいると、だいたい全力で走ってる。

あれって何なんだろうね。散歩に来てるはずなのに、リードを外してもらった瞬間、まるで何かに追われてるみたいに駆け出していく。耳をぴんと立てて、尻尾をくるんと巻いて、地面を蹴る足音がパタパタパタって軽快に響く。で、急に方向転換したかと思ったら、今度は別の犬のところへ一直線。あの加速力、たぶん人間でいうとオリンピック選手クラスだと思う。いや、マジで。

私がよく見かけるのは、たぶん3歳くらいの赤毛の柴犬なんだけど、飼い主さんが投げたボールを追いかけるのが日課らしい。ただ、追いかけるだけじゃなくて、取ってきたボールを絶対に渡さない。「ほら、ちょうだい」って言われても、口にくわえたまま首を振って逃げ回るんだよね。あれ、遊びの一部なのか、それとも本気で奪われたくないのか。飼い主さんは慣れた様子で「はいはい、またね」って苦笑いしてるけど、端から見てると完全にコントだった。

そういえば去年の夏、友達が「柴犬飼いたい」ってずっと言ってたんだけど、結局ハムスター飼ってた。

公園の芝生エリアには、だいたい午前9時前後に柴犬が集まってくる。なんでかは知らないけど、みんな同じ時間帯に来るんだよね。で、飼い主同士が話してる間、犬たちは勝手に遊び始める。追いかけっこしたり、匂いを嗅ぎ合ったり、急に伏せのポーズで誘ったり。あのお尻を上げて前足を伸ばすやつ、「プレイバウ」っていうらしいんだけど、初めて知ったとき「そんな名前ついてんのか」って思った。犬の世界にもちゃんと作法があるんだなって。人間が勝手に名前つけただけかもしれないけど。

特に印象的だったのは、ある雨上がりの朝。地面がまだ少し湿ってて、土の匂いと草の匂いが混ざった、あの独特の空気が漂ってた。柴犬が一匹、水たまりに向かって全速力で突っ込んでいったんだよね。バシャーンって音とともに、泥水が四方八方に飛び散って、近くにいた飼い主さんのジーンズが見事に茶色く染まった。「あーあ」って声が聞こえたけど、当の本人(本犬?)はめちゃくちゃ楽しそうに尻尾振ってて、なんかもう、怒る気も失せるよなって思った。あの顔見ちゃうとね。

柴犬って、遊んでるときの表情がほんとに豊かで、口を開けてハッハッて息してる姿が、まるで笑ってるみたいに見える。目も細くなってて、耳もぴょこぴょこ動いてて、全身で「楽しい!」って言ってる感じ。人間がどんなに頑張っても、あの純度100パーセントの喜びって表現できないと思うんだよね。計算がないっていうか、打算がないっていうか。

ボール遊びに飽きたら、今度は木の枝を見つけてくる。それも結構太めのやつ。自分の体と同じくらいの長さの枝をくわえて、誇らしげに歩き回ってる姿、なんか狩りに成功した野生動物みたいで笑える。で、その枝を振り回しながら走るもんだから、周りの犬にぶつかりそうになって、飼い主さんが慌てて止めに入る。「危ないでしょ!」って言われても、キョトンとした顔してるんだよね。悪気はないんだろうけど。

公園の隅には小さな丘があって、そこを駆け上がったり駆け下りたりするのも柴犬の定番コース。上りはいいんだけど、下りがちょっと急で、スピード出しすぎて止まれなくなってる子をたまに見かける。前足で必死にブレーキかけてるんだけど、勢い余って転がりそうになってて、見てるこっちがヒヤヒヤする。でも本人は全然平気そうで、また登ってまた降りてを繰り返してる。あの体力、どこから湧いてくるんだろう。

遊び疲れたのか、急に地面にバタンって倒れ込む瞬間もある。さっきまであんなに走り回ってたのに、スイッチが切れたみたいに動かなくなって、舌を出してハァハァ言いながら、空を見上げてる。その横顔がなんとも言えず穏やかで、風に毛が揺れてて、「ああ、満足したんだな」って伝わってくる。

飼い主さんが水を差し出すと、ガブガブ飲んで、また立ち上がる。

結局、柴犬が公園で遊んでる姿を見てると、こっちまでなんか元気もらえるんだよね。理由はよくわからないけど。ただ走ってるだけなのに、なんでこんなに見てて飽きないんだろう。答えは出ないけど、たぶんそれでいいんだと思う。

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