
去年の11月、午前3時に愛犬の柴犬が突然咳き込んで、僕は飛び起きた。
あの音は今でも耳に残ってる。「ガハッ、ガハッ」って、まるで何かが喉に詰まったような苦しそうな呼吸音で、暗闇の中で慌ててスマホのライトをつけたのを覚えてる。結局その時は何事もなく収まったんだけど、翌朝すぐに動物病院へ連れて行った。診断は「気管虚脱の初期症状かもしれない」とのこと。柴犬って丈夫なイメージがあったから、正直ショックだったな。
獣医さんに言われたのは、柴犬特有の体質を理解しておくことの大切さだった。特に皮膚トラブル。これが本当に厄介で、うちの子も実は後ろ足の付け根あたりをよく舐めてた。最初は「痒いのかな」くらいに思ってたんだけど、放っておいたら赤くただれて、アトピー性皮膚炎って診断された。柴犬はアレルギー体質の子が多いらしくて、ハウスダストとか花粉、食べ物にも反応しやすいんだって。それからは部屋の掃除頻度を上げて、空気清浄機も導入した。フードも低アレルゲンのものに変えたら、舐める回数が明らかに減ったんだよね。
膝蓋骨脱臼、通称パテラって聞いたことある?
小型犬に多い病気だと思ってたんだけど、柴犬も意外とかかりやすいらしい。特に遺伝的な要素が強いから、親犬の健康状態を確認しておくのが理想なんだけど、僕はペットショップで衝動買いしちゃったタイプだから、そんなこと全く考えてなかった…。今思えば反省してる。散歩中に突然後ろ足をケンケンするような歩き方をしたら要注意で、放置すると手術が必要になることもあるんだとか。体重管理と適度な運動が予防の鍵って言われて、それからは毎日の散歩コースを見直したり、おやつの量も計るようになった。
そういえば近所のドッグカフェ「パウパウテラス」で会った柴犬の飼い主さんが、目の病気で苦労してるって話してたな。緑内障とか白内障は、柴犬が高齢になるとかなりの確率で出てくる問題みたい。目が白く濁ってきたり、やたら眩しそうにしてたり、物にぶつかるようになったら危険信号。定期的に目のチェックをするようになってから気づいたんだけど、朝起きた時の目やにの量とか色って、結構健康のバロメーターになるんだよね。黄色っぽかったり緑がかってたりしたら、炎症を起こしてる可能性がある。
体調管理で一番大事だと思ったのは、日常の些細な変化に気づく観察眼かもしれない。食欲、排泄、歩き方、毛艶、口臭。毎日見てると「いつもと違う」って感覚が研ぎ澄まされてくる。うちの子は水を飲む量が急に増えた時期があって、最初は「暑いからかな」って思ってたんだけど、念のため病院で血液検査したら腎臓の数値が少し高めだった。早期発見できたから食事療法で改善できたけど、あのまま放置してたらと思うとゾッとする。
柴犬って本当に我慢強い犬種で、痛みや不調を隠す傾向がある。野生の本能なのか、弱みを見せないようにするんだよね。だからこそ、飼い主が能動的にチェックしないといけない。週に一度は全身を触って、しこりがないか、関節の動きはスムーズか、耳の中は臭くないか、歯茎の色は健康的なピンク色か、確認する習慣をつけた。最初は嫌がってたけど、おやつで釣りながら少しずつ慣らしていったら、今では大人しく触らせてくれるようになった。
季節の変わり目は特に注意が必要で、春と秋の換毛期には皮膚トラブルが起きやすいし、夏は熱中症、冬は関節痛のリスクが上がる。エアコンの温度設定ひとつとっても、人間基準じゃなくて犬基準で考えるようになった。床に近い場所の温度って、立ってる僕らが感じるより全然違うんだよね。
結局、あの夜中の咳き込みは一過性のものだったみたいで、その後は再発してない。でもあの出来事がきっかけで、僕の意識は完全に変わった。健康って、失ってから気づくものじゃなくて、毎日の積み重ねで守っていくものなんだなって。
今も夜中にふと目が覚めると、愛犬の寝息を確認してしまう癖がついてる…まあ、それもまた悪くないかなと思ってる。

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