柴犬が公園で見せる「本気の遊び」を目撃した午後

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近所の公園で柴犬を見かけるたび、なんでこんなに元気なんだろうって不思議に思う。

あれは確か5月の終わり頃だったと思う。仕事が早く終わって、珍しく明るいうちに帰宅できた日。なんとなく散歩でもしようかと思って公園に寄ったら、茶色い弾丸みたいなものが視界の端を横切った。柴犬だった。しかもめちゃくちゃ走ってる。飼い主さんはベンチに座ってスマホいじってて、長いリードでつないでるだけ。犬のほうは完全に自由を謳歌していた。

ボールを追いかけてるわけでもなく、ただひたすら走り回ってる姿を見てると、なんだか羨ましくなってくる。私が最後にあんなふうに全力で走ったのいつだっけ。多分、駅で電車に乗り遅れそうになった時くらいしか思い出せない。

その柴犬、走るだけじゃなくて急に止まったかと思うと地面の匂いを嗅ぎ始めて、次の瞬間には別の方向へダッシュ。で、また急ブレーキ。この繰り返し。なんの脈絡もない動きなんだけど、本人(本犬?)は超真剣。耳がピンと立ってて、しっぽは常にピンと上向き。

公園の砂の匂いと、どこかから漂ってくる夕飯の支度の匂いが混ざってた。

ふと思い出したんだけど、昔うちの実家で飼ってた犬も似たような感じだったな。柴犬じゃなくて雑種だったけど。あの犬、散歩の時間になると玄関で暴れ回って、リードつけようとすると興奮しすぎて逆に時間かかるっていう。で、外に出たら出たで、最初の5分くらいは制御不能。あれ、今思うとすごいエネルギーだよね。

話を戻すと、その公園の柴犬は突然、別の犬を見つけた。相手は大きめのゴールデンレトリバー。体格差、倍以上ある。普通なら警戒しそうなもんだけど、この柴犬は違った。一直線に突進していって、相手の周りをぐるぐる回り始めた。ゴールデンのほうは困惑してる感じで、飼い主さんに「なんですかこれ」みたいな顔で振り返ってた。

柴犬の飼い主さんが慌てて「すみませーん!」って駆け寄ってきて、リードを短く持ち直してたけど、柴犬本人はまだ遊び足りない様子。前足で地面をかいて、お尻を上げて、「もっと遊ぼうよ!」って誘ってる。ゴールデンは完全に引いてたけど。

私、その光景を見ながらベンチに座ってボーッとしてたんだけど、気づいたら30分くらい経ってた。別にやることがあったわけじゃないけど、なんとなくそこにいた。公園の木々を通り抜ける風が心地よくて、西日が斜めに差し込んでくる感じも悪くなかった。

その柴犬、最終的には地面に寝転がって、舌を出してハァハァしてた。さすがに疲れたらしい。でも目はまだキラキラしてて、「もう一回走れるぞ」って言ってるみたいだった。飼い主さんが水を差し出すと、バシャバシャ音を立てて飲んでた。

犬の元気って、どこから来るんだろうね。

人間だったら「明日も仕事だし」とか「疲れるからやめとこう」とか考えちゃうけど、犬にはそういうのがない。今この瞬間、遊びたいから遊ぶ。走りたいから走る。それだけ。単純だけど、それがいいのかもしれない。

帰り道、さっきの柴犬のことを考えてた。あの全力疾走、あの無邪気さ。真似しようと思っても無理だけど、ちょっとだけ見習いたいなとは思った。別に公園で走り回る必要はないけど、もうちょっと今を楽しむっていうか…まあ、難しいんだけどね、実際。

次の日、また同じ時間に公園の前を通ったら、やっぱりあの柴犬がいた。

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