柴犬を飼うって決めたあの日から、私の生活は想像と全然違ってた

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柴犬を飼い始めたのは去年の秋だった。

ペットショップで見たあの子の丸い目に一瞬でやられて、気づいたら契約書にサインしてた。名前は「コタロウ」。和風な名前がいいかなって思って。でも実際に一緒に暮らし始めてから、私が思い描いていた「柴犬との生活」とのギャップに何度も驚かされることになる。SNSで見るような、おとなしくて飼い主に従順な姿とは程遠かったから。

最初の一週間で学んだのは、柴犬の独立心の強さだった。呼んでも来ない。というか、こっちを見てるのに無視してくる。猫みたいだなって思ったけど、猫よりもっと頑固。散歩中に立ち止まったら最後、30分でも1時間でもその場から動かない。抱っこしようとすると体をくねらせて逃げる。最初は「私のこと嫌いなのかな」って本気で落ち込んだ。

それから抜け毛の量。これは本当に予想外だった。春と秋の換毛期になると、部屋中が毛だらけになる。掃除機をかけても、かけても、翌日にはまた白い毛が床に落ちてる。黒い服なんて着られない。会社に行くときは必ずコロコロを玄関に常備するようになった。友達が遊びに来たとき、「ここ、羊でも飼ってるの?」って聞かれたのは今でも忘れられない。

実は私、昔ゴールデンレトリバーを飼ってる友達の家によく遊びに行ってたんだけど。

あの子は本当に人懐っこくて、誰にでもしっぽ振って、投げたボールを何度でも取ってきてくれた。だから犬ってみんなそういうものだと思い込んでた。柴犬も同じだろうって。完全に甘かった。コタロウはボールを投げても、「は?なんで俺が取りに行かなきゃいけないの?」みたいな顔でこっちを見てくる。

吠え方にも特徴がある。柴犬特有の「柴犬スクリーム」というやつ。初めて聞いたときは本気でびっくりした。爪切りをしようとしたら、まるで拷問されてるみたいな悲鳴をあげる。近所の人が虐待を疑って通報するんじゃないかってレベル。でも実際は爪一本も切ってない段階で叫んでる。ただ爪切りを見せただけで。演技派すぎる。

食事の好みも激しい。ドッグフードを変えると、最初の一週間は食べてくれるけど、そのうち飽きる。同じものを出すと、匂いだけ嗅いで顔を背ける。「昨日まで食べてたじゃん!」って言っても通じない。仕方なく別のフードを買ってくると、また最初だけ食べる。この繰り返し。ペットショップの店員さんに相談したら、「柴犬あるあるですね」って笑われた。

散歩の時間帯も重要だった。朝6時と夕方5時、この2回は絶対。時間がずれると、コタロウが玄関の前でじっと座って私を見つめてくる。無言のプレッシャー。休日だからって寝坊したい日もあるんだけど、容赦ない。朝6時にベッドの横に来て、鼻で私の手をツンツンしてくる。目覚まし時計より正確。

トイレのしつけは意外と早くできた。これは柴犬の綺麗好きな性格が幸いした。自分の寝床を汚したくないっていう本能が強いから、トイレの場所さえ覚えさせれば、ちゃんとそこでしてくれる。ただし散歩中のマーキングは別。電柱という電柱、壁という壁、全部にちょっとずつかけていく。散歩が全然進まない。

夏場のエアコン代もバカにならない。柴犬は暑さに弱い。というか、日本の夏の湿気が苦手らしい。室温が28度を超えると、床にべったり張り付いて動かなくなる。だからエアコンは24時間つけっぱなし。電気代の請求書を見て、一瞬目を疑った。でも熱中症になったら大変だから、ここはケチれない。

それでも、夕方の散歩から帰ってきて、コタロウが玄関で「ただいま」って言わんばかりに尻尾を振ってる姿を見ると、全部許せちゃうんだよね。ツンデレすぎる。普段は素っ気ないくせに、たまに甘えてくる瞬間がある。ソファに座ってると、隣にちょこんと座ってきて、体を寄せてくる。その温度と重み。

飼育本に書いてあることと、実際に暮らしてみて分かることは全然違う。柴犬は確かに飼いやすい犬種だって言われてるけど、それは「手がかからない」って意味じゃない。独立心が強いから、ベタベタされるのが苦手な人には向いてるかもしれない。でも、その分コミュニケーションの取り方を工夫しないといけない。

今日もコタロウは窓の外を眺めてる。何を考えてるのかは分からないけど。

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