柴犬との散歩で飼い主が倒れないための地味な話

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うちの柴犬、朝の6時に起こしに来る。

散歩の話をするとき、みんな犬の健康ばかり気にするんだけど、正直に言うと飼い主の方がよっぽど危ない。去年の夏、近所の公園で熱中症になりかけたのは私の方で、愛犬のコタロウは涼しい顔で木陰に座っていた。あの時は本気で「犬の方が賢いんじゃないか」と思った。水筒を持たずに出かけた自分を呪いながら、自販機を探して住宅街をさまよう羽目になったっけ。

柴犬って頑固だから、散歩コースを変えようとすると全力で抵抗してくる。で、飼い主はついつい犬のペースに合わせて無理な姿勢で引っ張られる。これが地味に腰にくる。整体の先生に「犬の散歩が原因ですね」って言われた時は、なんだか情けなくて笑えなかった。リードを持つ手も、いつも同じ側だと肩の高さが変わってくるらしい。鏡で見たら本当に片方だけ下がってて、ちょっとショックだった。

真冬の早朝散歩は、想像以上に体温を奪っていく。手袋をしていても、リードを握る指先から冷えが這い上がってきて、家に帰る頃には感覚がなくなっている。犬は毛皮があるからいいけれど、人間はそうはいかない。ダウンジャケットを着込んでも、じっと立ち止まる時間が長いと芯から冷える。コタロウが他の犬に挨拶している間、私はその場で足踏みしながら「早く終わってくれ」と念じている。

そういえば、中学生の頃に飼っていた雑種犬は、散歩中に勝手にどこかへ行ってしまうタイプだった。

夏場の午後2時とか、絶対に避けた方がいい時間帯がある。アスファルトの照り返しで、犬の肉球が火傷するっていうのは有名な話だけど、人間だって相当ダメージを受ける。帽子を被っていても、首の後ろがジリジリ焼かれる感覚がある。サングラスをかけ忘れた日は、帰宅後に目がチカチカして頭痛がした。「犬のために」と思って無理して出かけると、結局自分が倒れて犬の世話ができなくなる。本末転倒とはこのこと。

雨上がりの散歩も油断できない。濡れた落ち葉の上で滑って、思いっきり尻餅をついたことがある。周りに人がいなかったのが唯一の救いだった。犬は何事もなかったように先を歩いていて、振り返りもしない。あの時の冷たい地面の感触と、ズボンに染みた泥の重さは忘れられない。

最近気づいたんだけど、散歩って意外と長距離を歩いている。スマホの歩数計を見たら、朝夕で合計1万歩を超えていた。普段運動不足の人間がいきなりこれをやると、膝や足首に負担がかかる。私も最初の1ヶ月は、夜になると足の裏が痛くて仕方なかった。靴選びも重要で、デザインだけで選んだスニーカーは3日で履けなくなった。今はクッション性の高い、見た目はダサいけど機能重視のシューズを履いている。

犬の引っ張る力を甘く見てはいけない。特に柴犬は筋肉質で力が強い。リスや猫を見つけた瞬間、予想外の方向に全力ダッシュされて、肩が外れそうになったことがある。とっさに踏ん張れないと、そのまま転倒する。実際、近所の奥さんは転んで手首を骨折していた。ハーネスとリードの持ち方、これだけで怪我のリスクは全然変わってくる。

夜の散歩は視界が悪い。街灯のない道では、段差や穴に気づかずに足を取られる。反射材のついたベストを着るのは犬だけじゃなくて、飼い主も必要だと思う。車からの視認性が全然違う。ライト付きのリードも便利だけど、電池切れに気づかないまま出かけて、真っ暗な道で立ち往生したことがある。あの時はスマホのライトで何とかしのいだけど…。

散歩から帰ってきた後の脱水にも注意が必要。犬に水をあげるのは覚えていても、自分の分を忘れる。気づいたら喉がカラカラで、頭がぼんやりしている。特に夏場は、帰宅後すぐに水分補給しないと、夜になって頭痛や吐き気がくる。スポーツドリンクを冷蔵庫に常備するようになったのは、一度ひどい脱水症状を経験してからだ。

結局のところ、犬の散歩って飼い主の健康管理でもあるんだよね。無理をしないこと、装備を整えること、自分の体調を優先すること。そんな当たり前のことを、私は犬に教えてもらった気がする。

今日も明日も、コタロウは朝6時に起こしに来るんだろうな。

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