
うちの柴犬が妙に水を飲むようになったのは、確か去年の7月だった。
最初は暑いからだろうと思っていた。クーラーをつけても、散歩から帰ってきてもいないのに、夜中の2時とか3時にガチャガチャと水入れの音がする。それが毎晩続いて、さすがにおかしいなと思い始めた頃には、トイレシートの交換頻度が明らかに増えていた。1日2枚で足りていたのが、気づけば4枚、5枚と使うようになっていて。
柴犬って本当に我慢強い犬種で、それが逆に怖いんだよね。痛みや違和感があっても、ギリギリまで平気な顔をしている。だから飼い主が気づいた時には、もう結構進行しちゃってるケースが多い。うちの場合も、動物病院に連れて行ったら「もっと早く来てくれれば」って言われた。結局、初期の糖尿病だった。
体重管理は本当に気をつけないといけない。柴犬は食欲旺盛だから、あげればあげただけ食べる。うちは家族がバラバラにおやつをあげちゃって、誰が何をあげたか把握できてなかった時期があって、それが完全に失敗だった。今思えば、あの丸々とした体型を「貫禄がある」とか言って喜んでた自分を殴りたい。適正体重より2キロオーバーしてたんだから。膝にも負担がかかるし、心臓にもよくない。
皮膚のトラブルも多い犬種だと獣医さんに教えてもらった。アトピー性皮膚炎とか、アレルギー性皮膚炎とか。うちは大丈夫だったけど、知り合いの柴犬は春先になると決まって体を掻きむしって、毛がごっそり抜けちゃうらしい。ノミやダニの予防薬はもちろん使ってるんだけど、それでも環境中のハウスダストとか花粉に反応しちゃうんだって。
そういえば前に、ペットショップで「柴犬専用シャンプー」みたいなのを見かけて、専用ってなんだよって笑ったことがある。でも実際、皮膚が敏感な子は本当にシャンプー選びも大事らしい。洗いすぎも良くないし、逆に全然洗わないのもダメ。月1回くらいが目安って言われたけど、うちの犬は水が大嫌いで、毎回格闘技みたいになる。
目の病気にも注意が必要で、緑内障とか白内障になりやすいって聞いた。
特に緑内障は進行が早くて、放っておくと失明する可能性もある。目が赤くなってたり、やたらと目を気にして前足で擦ったりしてたら要注意。あと、瞳孔の大きさが左右で違うとか。そういう細かい変化に気づけるかどうかが、飼い主の観察力にかかってる。毎日見てるからこそ、逆に変化に鈍感になっちゃうこともあるんだけど。
関節の問題も年齢を重ねると出てくる。膝蓋骨脱臼っていう、膝のお皿がずれちゃう病気。階段の上り下りを嫌がるようになったり、散歩中に急に足を上げて歩いたり。フローリングで滑るのも関節に悪いから、滑り止めマットを敷いたほうがいいって言われて、リビング中にマット敷き詰めたら、なんか老人ホームみたいな雰囲気になっちゃったけど。
歯周病もバカにできない。口臭がきつくなってきたら、もう歯石が溜まってるサイン。放っておくと歯が抜けるだけじゃなくて、細菌が血液に入って心臓とか腎臓にダメージを与えることもあるらしい。歯磨きを習慣にするのが一番なんだけど、これがまた難しい。子犬の頃から慣れさせておけばよかったって、今更ながら後悔してる。
認知症も他人事じゃない。夜中に意味もなく吠え続けたり、同じところをぐるぐる回ったり、飼い主のこと忘れちゃったり。柴犬は長生きする子が多いから、15歳、16歳まで生きてくれる子も珍しくない。その分、認知症のリスクも上がってくる。DHA入りのサプリメントとか、脳の健康に良いとされるフードもあるけど、どこまで効果があるのかは正直わからない。
結局のところ、毎日の観察が一番大事なんだと思う。
いつもと違う行動、食欲の変化、排泄の様子、歩き方、呼吸の仕方。そういう小さなサインを見逃さないこと。あと、年に1回の健康診断は絶対に受けたほうがいい。血液検査とか尿検査とか、数値で見ないとわからないこともたくさんある。うちは去年の健康診断で糖尿病が見つかったから、本当に行っておいてよかった。
今はインスリン注射を1日2回打ってる。最初は怖かったけど、慣れればなんてことない。犬のほうも、注射の後におやつがもらえるってわかってるから、意外と素直に受けさせてくれる。血糖値も安定してきて、水を飲む量も以前ほどじゃなくなった。
完璧な飼い主なんていないし、病気を100%防ぐこともできない。ただ、気づけるかどうか、気づいた時にすぐ動けるかどうか。そこだけは、なんとかしたいと思ってる。


コメント