
うちの柴犬が初めて変な咳をしたのは、確か梅雨の終わりかけだった。
その日は妙に蒸し暑くて、エアコンをつけるかどうか迷っていたんだけど、夕方の散歩から帰ってきたらゲホゲホと咳き込み始めて。最初は「あれ、散歩中に何か変なもの吸い込んだかな」くらいに思っていたら、翌朝も続いていて焦った記憶がある。結局それは軽い気管支炎だったんだけど、あのときに動物病院の先生から聞いた話が今でも役に立っている。柴犬って見た目が頑丈そうだし、実際タフな犬種なんだけど、意外と繊細なところがあるらしい。特に皮膚と関節、それから目のトラブルには注意が必要だって言われて、そこから私の体調管理オタク生活が始まった感じ。
皮膚のことで言えば、柴犬はアトピー性皮膚炎になりやすいって知ってた? 私は全然知らなくて、最初の夏に足の付け根あたりを異常に舐めているのを見て「暑いから気持ち悪いのかな」程度に考えていたんだよね。でもよく見たら赤くなっていて、毛も薄くなっていた。慌てて病院に連れて行ったら、やっぱりアレルギー反応が出ているとのこと。それ以来、散歩の後は必ず足を拭くようにしているし、シャンプーも低刺激のものに変えた。あと湿度管理も大事で、梅雨時期は除湿機をフル稼働させている。皮膚が蒸れると細菌が繁殖しやすくなるから、特に耳の後ろとか脇の下とか、普段見えにくい場所のチェックは欠かせない。
関節の話をすると、柴犬は膝蓋骨脱臼っていう膝のお皿がずれる病気になることがある。これは遺伝的な要素も大きいらしいんだけど、肥満や激しい運動も原因になるんだって。うちの子は幸いまだその症状は出ていないけれど、予防のために体重管理はかなり気を使っている。といっても、あの「ごはんちょうだい」って顔で見つめられると、ついついおやつをあげたくなるんだけどね…。
そういえば前に友達の家に遊びに行ったとき、そこの猫が高級な自動給餌機を使っていて羨ましかった話、関係ないけど。
目の病気も柴犬には多いって聞いてから、目やにの色とか量とか、毎朝チェックするのが習慣になった。白内障とか緑内障は加齢とともにリスクが上がるし、若い頃から目の健康には気をつけておいた方がいいらしい。朝日が差し込む時間帯に顔を見ると、瞳の透明感とか目の輝きがよく分かるんだよね。それが何となく曇って見えたり、やたら眩しそうにしていたりしたら要注意。あと涙の量が増えたり、逆に乾いて見えたりするのも異変のサイン。目をしょぼしょぼさせていたら、すぐに病院に連れて行った方がいい。
日常的な観察で一番大事なのは、やっぱり「いつもと違う」に気づくことだと思う。
食欲が落ちているとか、水を飲む量が増えたとか減ったとか。散歩のときの歩き方がいつもと違うとか、階段の上り下りを嫌がるようになったとか。柴犬は痛みを我慢する傾向があるから、飼い主が気づいてあげないと手遅れになることもある。うちの場合は、毎週日曜日の朝に簡単な健康チェックをすることにしている。体を触って痛がるところがないか、耳の中が汚れていないか、歯茎の色は健康的なピンク色か、肉球にひび割れがないか。最初は面倒だったけれど、今ではそれがコミュニケーションの時間にもなっていて、意外と楽しい。
季節の変わり目は特に注意が必要で、春と秋は換毛期で大量の毛が抜けるから、ブラッシングをサボると皮膚トラブルの原因になる。夏は熱中症のリスクが高いし、冬は乾燥で皮膚が荒れやすい。柴犬は寒さには強いけれど、暑さには弱いから、夏場の散歩は早朝か夜遅くにしている。アスファルトの温度を手で確かめてから出かけるのが習慣になった。
結局のところ、完璧な飼い主なんていないと思うんだよね。私だって失敗ばかりだし、今でも「あのとき気づいてあげられていたら」って思うことがある。ただ毎日一緒にいて、よく見て、何か変だなと思ったら早めに対応する。それくらいしかできないけど、それが一番大事なのかもしれない。


コメント