柴犬を飼うって決めた日から知っておけばよかったこと

Uncategorized

ALT

柴犬を飼い始めて三年目の春、ようやく気づいたことがある。

最初に言っておくと、僕は犬を飼うのが初めてだった。ペットショップで見た柴犬の子犬があまりにも可愛くて、勢いで飼うことを決めてしまった。今思えば、あの時もう少し冷静になるべきだったかもしれない。でも後悔はしていない…と言いたいところだけど、正直に言うと「ああ、これ知っておけば」って思うことが山ほどあった。

柴犬って、見た目の可愛さとは裏腹に、かなり頑固な性格をしている。うちの犬は名前を呼んでも気が向かないと完全無視。散歩の途中で座り込んだら最後、30分でも1時間でもそこから動かない。真夏の午後3時、アスファルトが焼けるように熱い住宅街の真ん中で、僕と柴犬が睨み合いをしていた光景を近所の人は今でも覚えているはずだ。恥ずかしかった。

抜け毛の量も想像を絶していた。

春と秋の換毛期になると、部屋中が毛だらけになる。掃除機をかけても、コロコロを使っても、翌日にはまた床が毛で覆われている。黒い服なんて着られない。出かける前に必ずコロコロを持ち歩くようになったし、友達の家に遊びに行く時は「犬飼ってるから毛がついてたらごめん」って先に謝るのが習慣になった。ブラッシングは毎日やっているつもりだけど、それでも追いつかない。ちなみに、僕が使っているブラシは「ファーマスター」っていうやつで、これがないと生活できないレベル。

そういえば、去年の夏に実家に帰省した時、母親が「あんた、服に毛がすごいついてるわよ」って言いながら笑っていた。実家には猫がいるんだけど、猫の毛と柴犬の毛は質が違うらしく、母親は一目で見分けられるらしい。関係ない話だけど。

散歩の時間も思っていたより長い。朝と夕方、それぞれ30分から1時間は必要になる。雨の日も、風の強い日も、自分が体調悪い日も、犬は散歩に行きたがる。というか、行かないとストレスが溜まって家の中で暴れ出す。クッションを破壊されたことが二回ある。最初は「運動不足かな」くらいに思っていたけど、柴犬はもともと猟犬だったらしく、かなりの運動量が必要な犬種だと後から知った。飼う前に調べておけばよかった。

食事の管理も意外と大変で、人間の食べ物を欲しがるけど絶対にあげてはいけない。玉ねぎやチョコレートは中毒を起こすし、塩分の多い食べ物も腎臓に負担がかかる。最初の頃、僕が唐揚げを食べていたら、あまりにも熱心に見つめてくるから、ほんの少しだけあげてしまったことがある。その日の夜、下痢をして大変なことになった。動物病院に駆け込んで、獣医さんに怒られた。「柴犬は皮膚も弱いから、食事には特に気をつけて」と言われて、それからは絶対に人間の食べ物はあげないようにしている。

しつけに関しても、柴犬は他の犬種より時間がかかると感じた。トイレトレーニングだけで三ヶ月くらいかかったし、「待て」や「おいで」といった基本的なコマンドも、何度も何度も繰り返してようやく覚えてくれた。ネットで調べると「柴犬は賢いから」って書いてあるけど、賢いからこそ自分の意志が強くて、言うことを聞かない時は本当に聞かない。

それでも、夜寝る前に僕の足元で丸くなって寝ている姿を見ると、やっぱり飼ってよかったって思う。朝起きた時、しっぽを振りながら近づいてくる瞬間とか。散歩の帰り道、疲れたのか少しだけ歩くペースが遅くなる時とか。

柴犬を飼うのは、思っていたより大変だった。でも、それだけのことかもしれない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました