
柴犬を飼い始めて最初の夏、うちの子が急に足を引きずり始めたときは本気で焦った。
動物病院の待合室で震える手でスマホを握りしめながら、「もっと早く気づいてあげられたんじゃないか」って自分を責めてた。結局その日は軽い捻挫だったんだけど、獣医さんに言われた言葉が今でも耳に残ってる。「柴犬はね、痛みを隠すのが上手なんですよ」って。
それからというもの、私は柴犬特有の「我慢強さ」に振り回されることになる。この犬種、本当に不調を表に出さない。野生の本能なのか、飼い主を心配させまいとしてるのか知らないけど、気づいたときにはけっこう進行してるパターンが多い。特に皮膚トラブルは要注意で、柴犬はアトピー性皮膚炎になりやすいって知ってた?うちは春先になると決まって耳の後ろを掻きむしるようになって、最初は「花粉症かな?」くらいに思ってたんだけど、獣医さん曰く柴犬の皮膚は意外とデリケートらしい。
ダブルコートのあのモフモフした毛に守られてるように見えて、実は皮膚バリアが弱い子が多いんだって。
梅雨時期の湿度が高い日なんか特にそうで、散歩から帰ってきたときの生乾きの犬の匂いって独特じゃない?あれ、放っておくと皮膚炎の原因になる。タオルでざっと拭くだけじゃ足りなくて、できれば扇風機とかドライヤーの冷風で乾かしてあげるのがベスト。私は最初それを知らなくて、夏場に外耳炎を繰り返させちゃった。耳の中が赤くなって、変な匂いがしてきたときにはもう遅くて、抗生物質のお世話になった。
そういえば去年、友達が「柴犬ってめっちゃ健康そうじゃん」って言ってたんだけど、それ完全に見た目に騙されてる。確かにあの凛々しい顔つきと引き締まった体つきを見てると、病気とは無縁そうに見えるんだけどね。実際は膝蓋骨脱臼とか股関節形成不全とか、関節系のトラブルを抱えやすい。特に階段の上り下りが多い家だと、シニア期に入ってから一気に症状が出たりする。
うちは3歳くらいまでマンションの3階に住んでて、毎日階段使ってたんだけど、今思えばあれ相当負担かけてたと思う。
認知症も他の犬種より発症率が高いって最近知った。柴犬は長生きする子が多いから、その分リスクも上がるんだろうけど。夜中に意味もなく吠え続けたり、壁に向かって歩き続けたり、そういう症状が出始めたら要注意。早めに気づいて対応すれば、進行を遅らせることもできるらしい。
食事の話もしておきたくて、柴犬って実は食物アレルギーが出やすい。特に穀物系。安いドッグフードにはトウモロコシとか小麦がたっぷり入ってるんだけど、それが原因で涙やけがひどくなったり、お腹を壊したりする子がいる。うちは一時期、「ワンダフルバランス」っていう国産フードを使ってたんだけど、どうも合わなかったみたいで、目やにがすごくて。グレインフリーに切り替えたら嘘みたいに改善した。
あと地味に厄介なのが歯周病で、これ本当に侮れない。3歳以上の犬の8割が歯周病予備軍って統計もあるくらいで、柴犬も例外じゃない。口臭がきつくなってきたら黄色信号。歯石が溜まると歯茎が炎症起こして、最悪の場合は心臓とか腎臓にまで菌が回ることもあるんだって。毎日の歯磨きが理想だけど、正直うちは週2回くらいしかできてない…。それでも何もしないよりはマシだと信じてる。
体調管理で一番大事なのって、結局「いつもと違う」に気づけるかどうかだと思う。食欲、散歩の歩き方、寝てる時間、うんちの固さ、毛艶。毎日見てるからこそ分かる微妙な変化。柴犬は表情に出にくいから、そういう日常の観察が命綱になる。
定期的な健康診断も忘れちゃいけなくて、最低でも年1回、できればシニア期に入ったら半年に1回は血液検査とか受けた方がいい。早期発見できれば治療の選択肢も広がるし、何より飼い主の精神衛生上もいい。あの「もしかして…」っていう不安を抱えたまま過ごすのは、想像以上にしんどいから。
結局のところ、柴犬との暮らしって「気づき」の連続なんだと思う。完璧な飼い主なんていないし、私だって見落としてることたくさんあるはずで。それでも毎日ちゃんと見て、触って、声をかけてれば、きっと何か変化には気づける…はず。


コメント