
うちの柴犬が初めて吐いたのは、確か夏の終わりだった。
あの日は朝から妙に蒸し暑くて、窓を開けても風が入ってこない感じの日。いつもなら散歩の時間になると玄関でソワソワし始めるのに、なんだか元気がなくてさ。で、昼過ぎにリビングで「ゲホッ」って。最初は何が起きたのかわからなくて、私もパニックになって動物病院に電話したんだけど、看護師さんに「落ち着いて様子を見てください」って言われて。あのときの自分の慌てっぷりといったら、今思い出しても恥ずかしい。
柴犬って見た目が丈夫そうだから、病気とは無縁みたいに思ってた。
実際に飼い始めてわかったんだけど、柴犬特有の体質みたいなものがあって、気をつけないといけないポイントが結構ある。一番多いのが皮膚トラブルで、これはもう柴犬飼いあるあるらしい。うちの子も一歳過ぎたあたりから、やたらと後ろ足で体を掻くようになってさ。最初は「ノミかな?」くらいに思ってたんだけど、獣医さんに診てもらったらアトピー性皮膚炎だった。柴犬は皮膚のバリア機能が弱い子が多いらしくて、ハウスダストとか花粉とか、人間と同じようなアレルゲンに反応するんだって。それ聞いたとき「犬も花粉症になるんだ…」ってちょっと親近感わいたけど、本人(本犬?)は痒くて大変そうで申し訳なかった。
で、皮膚の次に注意が必要なのが目の病気。緑内障とか白内障とか、聞いたことある名前が並ぶんだけど、柴犬は遺伝的にこれらにかかりやすいらしい。特に緑内障は進行が早いから、目が赤くなってたり、やたら涙が出てたりしたら即病院。私の友達の柴犬は、片目が見えなくなっちゃって、もっと早く気づいてあげればって後悔してた。目って普段じっくり見ないから、気づきにくいんだよね。だから散歩から帰ったときとか、ご飯あげるときとか、意識的に顔を見るようにしてる。
そういえば、近所に「わんわんパラダイス」っていう犬用品専門店があるんだけど、そこの店長さんが柴犬を三匹飼ってて。この前そこで聞いた話なんだけど、柴犬は股関節形成不全っていう骨の病気にもなりやすいんだって。
これは生まれつきの要素が大きいらしいんだけど、肥満になると症状が悪化するから体重管理が超重要。柴犬ってさ、食べることに対する執念がすごくない?うちの子なんて、私がキッチンに立つだけで全力で尻尾振って寄ってくる。その顔見てるとついついオヤツあげたくなっちゃうんだけど、そこはグッと我慢。獣医さんに「柴犬の適正体重は見た目で判断してください。上から見たときに腰のくびれが見えて、横から見たときにお腹が少し引き締まってる感じ」って言われて、それを基準にしてる。体重計の数字だけじゃなくて、触ったときに肋骨が軽く触れるくらいがちょうどいいらしい。
あと意外だったのが、認知症の話。柴犬は日本犬の中でも特に認知症になりやすいっていうデータがあるんだって。これは老犬の話だから、まだうちには関係ないけど、夜中に意味もなく吠え続けたり、同じ場所をグルグル回ったりするのが初期症状らしい。予防法としては、若いうちから脳に刺激を与える遊びをすることとか、魚由来のDHAを含むフードを選ぶこととか。正直、そこまで先のこと考えると気が遠くなるけど…知っておくだけでも違うかなって。
季節の変わり目は特に注意が必要で、春と秋の換毛期には抜け毛がハンパない。これ自体は病気じゃないけど、ブラッシングをサボると皮膚が蒸れて、さっき言った皮膚炎の原因になる。うちは毎日ブラッシングしてるつもりでも、気づいたら部屋中に毛玉が転がってて、掃除機かけても追いつかない。あの大量の抜け毛、何かに再利用できないかなっていつも思うんだけど、いいアイデア浮かばない。
それから、これは病気じゃないかもしれないけど、柴犬は熱中症にもなりやすい。ダブルコートで保温性が高いから、夏場の散歩は本当に気をつけないと。朝の六時前とか、夜の八時以降とか、アスファルトが冷めてる時間を選ぶ。真夏の昼間に散歩してる人たまに見かけるけど、あれは危険だと思う。犬は地面に近いから、人間が感じる以上に暑さを受けてるんだよね。
結局のところ、柴犬の体調管理って「観察」に尽きる気がする。毎日見てるからこそ、ちょっとした変化に気づける。食欲が落ちてないか、歩き方がおかしくないか、いつもと違う場所を舐めてないか。そういう小さなサインを見逃さないこと。
まあ、完璧にできてるかって言われたら自信ないけどね。できる範囲で、やっていくしかない。

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