柴犬が家族の会話を全部聞いてる説

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うちの柴犬、最近やたらと人間の顔を見てくる。

リビングのソファに座ってスマホをいじっていると、必ず足元に来て、じっと見上げてくる。何か用があるわけじゃない。散歩に行きたいわけでもない。ただ見てる。で、家族の誰かが話し始めると、耳だけピクッと動かして、まるで内容を理解しているかのような顔をするんだよね。母が「今日スーパーで大根が安かった」とか言ってる時も、父が「来月の旅行どうする」って話してる時も、うちの柴犬はそこにいる。目を細めて、尻尾を床にぺたんと置いて。

犬って本当に人間の言葉がわかってるのかな、って最近マジで考えるようになった。いや、正確には言葉そのものじゃなくて、空気というか、雰囲気というか。家族が笑ってる時は犬も嬉しそうだし、誰かがイライラしてると部屋の隅っこでおとなしくしてる。

去年の夏、弟が受験に落ちて家に帰ってきた日のことを思い出す。玄関開けた瞬間、犬が駆け寄って行ったんだけど、いつもみたいに飛びつかなかった。弟の足元でクンクン鼻を鳴らして、そのまま横に座り込んだ。弟は何も言わずに自分の部屋に入って、犬はその後ずっとドアの前で待ってた。夕飯の時間になっても動かなくて、母が「ご飯だよ」って呼んでも首を振るだけ。結局、弟が部屋から出てくるまで、あの犬は3時間そこにいた。

そういえば前に、友達が「犬は人間の感情を匂いで判別してる」って言ってたな。汗の成分が変わるとか、何とか。科学的な話は正直よくわからないけど、少なくともうちの柴犬に関しては、何かを感じ取ってるのは確かだと思う。

冬の夜、暖房をつけたリビングで家族全員が集まってる時間が一番好きだ。テレビがついてて、誰かがお茶を入れる音がして、父が新聞をめくる音が聞こえる。そんな中、柴犬はいつも決まった場所にいる。ソファとテーブルの間、ちょうど全員の顔が見える位置。たまに欠伸をしながら、でも目は開けたまま。

この前なんて面白いことがあった。母と姉が口喧嘩を始めたんだけど、犬が突然立ち上がって二人の間に割って入ったんだよ。で、母の手を鼻でツンツンして、姉の膝に前足を乗せて。二人とも笑っちゃって、喧嘩が終わった。偶然かもしれないけど、タイミングが絶妙すぎて、家族みんなで「この犬、わかってやってるだろ」って話になった。

朝の6時半、犬が起きる時間は決まってる。目覚まし時計より正確。誰よりも早く起きて、家の中をゆっくり一周する。キッチン、廊下、リビング、階段の下。何をチェックしてるのかは知らないけど、毎朝同じルートを歩いてる。で、全部確認し終わったら、父の部屋の前で座って待つ。父が起きてくるまで、じっと。

犬を飼う前は、ペットって単なる「動物」だと思ってた。可愛いけど、所詮は人間とは違う生き物。でも一緒に暮らしてみると、そんな単純な話じゃないってわかる。うちの柴犬は家族の一員というより、もはや家族の観察者みたいな存在になってる。誰が何をしてるか、誰がどんな気分か、全部把握してる気がする。

夜中にトイレに起きた時、廊下で犬と目が合うことがある。真っ暗な中、光る二つの目。最初はびっくりしたけど、今はもう慣れた。「起きてたの?」って声をかけると、尻尾を一回だけ振って、また丸くなって寝る。

家族って何だろうって考える時、最近は犬も含めて考えるようになった。血が繋がってるとか、一緒に住んでるとか、そういう定義じゃなくて。同じ空気を吸って、同じ時間を過ごして、お互いの存在を当たり前に感じられる関係。それが家族なんじゃないかって。

うちの柴犬は今、私の足元で寝息を立ててる。たぶん夢を見てる。時々足がピクピク動いて、小さく鼻を鳴らす。何の夢を見てるのかは知らないけど、きっと悪い夢じゃないと思う。だってこの家は、いつも誰かの笑い声が聞こえる場所だから。

犬が家族の会話を全部聞いてるかどうか、本当のところはわからない。でも聞いてるような気がする。そしてそれでいいと思ってる。

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