
うちの柴犬を連れて近所の公園に行くと、毎回思う。この犬、どこにそんなエネルギー貯めてるんだろう。
朝の6時半、まだ空気が冷たい時間帯に家を出る。公園に着くまでの5分間、リードを引っ張る力がすでに尋常じゃない。門をくぐった瞬間、茶色い弾丸と化したうちの子は、まっすぐ芝生エリアに突進していく。他の犬の飼い主さんたちと目が合うと、みんな苦笑い。「今日も元気ですね」って声をかけられるけど、元気っていうレベルじゃないんだよね、これ。
リードを外すと、最初の10分は狂ったように走り回る。ただ走るだけじゃなくて、急に方向転換したり、地面に鼻を押し付けて何かの匂いを追跡したり、突然ジャンプして空中で体をひねったり。そういえば去年の夏、あまりにも激しく遊びすぎて、帰り道で歩けなくなったことがあった。抱っこして帰ったんだけど、体重10キロの柴犬を20分抱えて歩くのは、想像以上にきつい。あの日は腕が3日くらい筋肉痛だった…だけど。
公園の東側に、古い桜の木が何本か並んでるエリアがある。
そこがうちの子のお気に入りで、木の根元の土を掘り返すのが日課になってる。何を探してるのか知らないけど、前足で必死に土をかき出して、鼻を突っ込んで、また掘って。飼い主としては「やめてくれ」って思うんだけど、あの集中した横顔を見てると、なんだか邪魔しちゃいけない気がしてくる。耳がピンと立って、しっぽが小刻みに震えてて、全身で「楽しい!」って言ってる感じ。土まみれになった鼻先を見ると、ため息が出るけど。
ボール遊びを始めると、さらに大変なことになる。投げても投げても「もう一回!」って目で訴えてくる。こっちの肩が悲鳴をあげてるのに、あっちは息も切らさず何度でも持ってくる。柴犬用のボールって、ちょうど握りやすいサイズなんだけど、唾液でベトベトになったそれを素手で受け取るたびに、ちょっと複雑な気持ちになる。ウェットティッシュは必需品。
平日の朝だと、公園には同じ顔ぶれが集まる。常連の柴犬仲間が3匹くらいいて、みんな似たようなテンションで遊んでる。茶色、黒、白っぽいやつ。色は違うけど、遊び方は驚くほど似てる。追いかけっこが始まると、4匹が一団となって芝生を駆け回る。その光景を眺めながら、飼い主たちは「今日は何時まで?」とか「昨日の散歩で何か変なもの食べませんでした?」とか、地味な情報交換をしてる。犬たちのエネルギーと、飼い主たちの穏やかさのギャップがすごい。
水飲み場の近くに、ベンチが2つある。そこに座って休憩してると、うちの子が時々こっちを振り返る。「ちゃんと見てる?」って確認してるみたい。見てるよ、ずっと見てるよ。スマホいじってるように見えるかもしれないけど、視界の端には常に入れてるから。
30分くらい経つと、さすがに少しペースが落ちてくる。
走るスピードが若干遅くなって、途中で立ち止まって舌を出す時間が増える。でも休むかと思いきや、また別の犬を見つけて走り出す。この「もうちょっと」が延々と続くから、結局1時間くらい公園にいることになる。家に帰る頃には、こっちのほうが疲れ切ってる。犬を散歩させてるのか、犬に散歩させられてるのか、よくわからなくなる瞬間。
帰り道、リードを引く力が明らかに弱くなってる。行きとは別犬みたいに、おとなしく横を歩く。家に着いて玄関のドアを開けると、真っ先に水入れに向かって、ガブガブ飲む。その後、リビングの定位置でバタンと横になって、5秒で寝る。さっきまでの狂乱ぶりはどこへ行ったのか。
公園で遊ぶ柴犬の元気さって、たぶん見てる人が思ってる以上にすごい。YouTubeとかで見る「かわいい柴犬」の映像は、あれ、ほんの一部を切り取ってるだけ。実際に付き合うと、体力勝負になる。でもまあ、明日の朝もまた同じ公園に行くんだろうな。懲りずに。


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